「黄色い春の訪れ」                 2007年 2月22日   
                
 
 沖縄では桜は満開だろうか。土佐路は梅が見ごろ。あちこちに咲いているので、梅などのよい香がかおるようすを表す「馥郁(ふくいく)たる」という言葉がやっとピンとくるようになった。梅の花は20メートル先からでも香り、思わず深呼吸をしたくなる。
 「ハークション!」大きなくしゃみが出たと思ったら立て続け。黄色い杉花粉が飛びはじめたようだ。元旦から最高気温を合計し三百度に達した日から十日前後に飛散するらしい。今年は暖冬で、花粉症の身には辛い一足早い春の訪れである。
 これからの季節、生命の息吹を感じ明るい気持ちになるはずなのだが、くしゃみ、目のかゆみ、鼻水・・・。国民の20%が発症しているそうで今や花粉症は国民病。
 沖縄は杉があまりないので関心が薄いかもしれない。しかし「花粉のない沖縄でゴルフ!」「花粉のない沖縄に移住しよう!」など、旅行会社、不動産会社の動きが最近目立っている。実際、花粉症の知人から、定年後沖縄に移住したいのだがと相談されることが再々ある。泡盛のもつ抗アレルギー成分が有効という話も聞く。奇妙な接点で沖縄へのニーズが高まっている。
 杉は古くから日本にあるが、戦後、植林が盛んに行われた。沖縄は復帰後、植林されたが気候などが適さず、幸いなことに微々たる面積しか植わってないそうだ。
 全国に植林が奨励された当時は、春先に大量の花粉が舞い、大気汚染などとの関係でアレルギーを引き起こすとは考えてもいなかったことだろう。
 自然に対し干渉、開発を行う時、せめて次の世代への影響を視野に入れるべきでは。川の石を一個動かすだけで流れは変わるのだから。



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